公開日:2026年3月 | カテゴリ:雑学
2025年1月、ドナルド・トランプは78歳で再びアメリカ大統領に就任しました。史上最高齢での就任、刑事有罪判決を受けながらの就任、一度落選してからの返り咲き——とにかく前例がない人物で、世界中が注目しています。
この人がどういう経緯で今の地位にたどり着いたのか、幼少期から現在まで時系列で追ってみます。
生い立ち——裕福な家庭に生まれ、問題児として軍学校へ
ドナルド・ジョン・トランプは1946年6月14日、ニューヨーク生まれです。祖父はドイツからやってきた移民で、母はスコットランド人。生粋のニューヨーカーといえる環境で育ちました。
父フレッドは不動産開発会社を経営しており、トランプは幼いころから父の事業に興味を持っていました。ただ、13歳までは父が運営委員を務める学校に通っていましたが、素行不良のためニューヨーク・ミリタリー・アカデミーに転入させられた過去があります。
軍学校というと厳しいイメージですが、このころの経験が後の強硬なキャラクターに影響を与えたと言う人もいます。
大学・社会人——エリート校からそのまま父の会社へ
高校卒業後はフォーダム大学に入学、その後ペンシルベニア大学(アイビーリーグの名門校)に編入しました。1968年にウォートン・スクールで経済学の学士号を取得して卒業すると、翌年には父が経営する不動産開発会社に入社します。
1971年、25歳のときに父から社長の座を譲られ、社名をトランプ・オーガナイゼーションと改名。クイーンズとブルックリンからマンハッタンへと事業を拡大しました。
「2代目のぼんぼんが父の事業を引き継いだ」という見方もありますが、実際にはマンハッタンという超激戦区での不動産事業を大きく成長させており、その手腕は本物でした。
「不動産王」としての成功——そしてテレビスターへ
1980年代、トランプはニューヨーク5番街にトランプタワーを建設し、「不動産王」の異名を取るようになります。ホテル、カジノ、ゴルフ場と事業を拡大し、アメリカを代表する富豪のひとりになっていきました。
ただ、この時期には事業の失敗もありました。1990年代に手がけたカジノ事業が経営難に陥り、複数回の会社更生手続きを経験しています。それでも完全に倒れることなく事業を立て直したことが、のちの「負けない男」というイメージにつながっていきます。
2004年にはリアリティ番組「アプレンティス」をプロデュースし出演。以降2015年のシーズン14まで出演を続けました。このテレビ番組が全米での知名度を決定的なものにします。「お前はクビだ!」という決めゼリフは一世を風靡し、ビジネス界の強い指導者というイメージをアメリカ国民に植え付けました。
2016年大統領選——「政治経験ゼロ」で当選した理由
2015年、政治経験がないにもかかわらず大統領選への出馬を表明。翌年の共和党大会で大統領候補に指名されます。
当初は泡沫候補扱いでした。しかし「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(アメリカを再び偉大に)」というスローガンと、移民問題・雇用問題で直接的な言葉で語りかけるスタイルが、既存の政治に失望していた白人労働者層の心をつかみました。
16人の他の候補者を予備選挙で破り、民主党候補のヒラリー・クリントンを破って当選しました。一般投票数では敗北していたものの、選挙人団の制度で勝利。軍やアメリカ連邦政府の役職に就いたことのない初の大統領となりました。
第1次政権(2017〜2021年)——2度の弾劾と落選
大統領に就任後は、移民規制の強化・減税・規制緩和などを矢継ぎ早に推し進めます。支持者からは「約束を守る大統領」として評価された一方、反発も非常に強く社会が二極化していきました。
2019年12月にはウクライナへの軍事援助と引き換えに政敵への妨害を試みたとして、下院で弾劾訴追されました。ただし上院では無罪評決となっています。
2020年の大統領選挙ではジョー・バイデンに敗れました。トランプ陣営は「不正選挙」を主張して法廷闘争を続けましたが、結果は変わりませんでした。
そして2021年1月6日、トランプ支持者が連邦議会議事堂を襲撃する事件が起きます。これをめぐって2度目の弾劾訴追が下院で可決されましたが、上院では再び無罪評決となりました。
2021〜2024年——起訴されながらも返り咲きを目指す
退任後も政治の表舞台に居続けたトランプは、2024年の選挙に向けて活動を続けます。この間、2023年3月から8月にかけて4つの刑事事件で起訴されました。アメリカ大統領経験者の起訴は史上初のことでした。
有罪判決を受けても候補者資格は失われず、2024年7月13日にはペンシルベニア州での選挙集会中に銃撃されて右耳を負傷するという暗殺未遂事件が発生。しかし奇跡的に生還し、直後のガッツポーズで「強い指導者像」を強烈に印象づけました。
2024年大統領選——132年ぶりの返り咲き
2024年11月5日投開票の大統領選で、民主党のカマラ・ハリス副大統領との一騎打ちに勝利し、返り咲きを果たしました。78歳での当選は史上最高齢。
一度落選してからの大統領への再選は、グロバー・クリーブランド以来132年ぶりで史上2人目のことです。
第2次政権(2025年〜)——就任初日から大統領令を連発
2025年1月20日に2期目の大統領職をスタートさせたトランプは、就任初日に2021年の議会襲撃事件の受刑者約1,500人への恩赦を含む大統領令に署名しました。最初の1ヶ月だけで約70件の大統領令に署名しており、近年のどの大統領よりも大幅に多い数字です。
イーロン・マスクが率いる「政府効率化省(DOGE)」を設立し、連邦政府の支出削減・官僚制度の縮小・連邦政府職員の大量解雇を進めています。また日本を含む各国への関税政策も打ち出しており、世界経済に大きな影響を与えています。
まとめ——トランプという人物を一言で言うと
トランプの歩みを振り返ると、「エリート家庭の出身だが自分でも大きなリスクを取り続けてきた実業家」「テレビで全米に顔を売った有名人」「既存政治への不満を吸収して登場したアウトサイダー政治家」という3つの側面が重なっています。
2度の弾劾、4件の刑事起訴、暗殺未遂——普通ならとっくに政治生命が終わっているような逆境を乗り越えて今の地位にいるのは、単純に支持者の熱狂的な支持と、既存の政治・メディアへの広い層の不満が根底にあるからでしょう。
「好き嫌い」を超えて、これだけ多くの前例を塗り替えてきた人物はアメリカ史上にも類を見ません。
この記事が参考になったら、SNSでシェアしてもらえると嬉しいです✨
▶ 関連記事(内部リンク)

